
こんにちは。ますだ歯科医院 院長の増田英人です。
このページを見てくださっているあなたは、「インプラントって本当にいいものなの?」「どこでインプラントを受けようか?」「インプラントってどんなもの?」と思い、検索していただいたのではないでしょうか。
インプラントが普及するのに伴い、メリットだけでなくリスクやデメリットも報道されるようになってきました。歯医者によっても考え方が異なり、積極的に勧める歯医者もいれば、危険だと言って勧めない歯医者もいるのが現実です。自費治療のため医院によって値段も違いますし、医院ごとに様々なうたい文句で宣伝がされています。何が正しいのか、インプラントが本当にいいものなのか、分かりづらいと思います。
インプラントはとてもいい治療法ですが、ご自身の歯に勝るものではありませんし、メリットだけでなくデメリットも当然あります。
実は私自身、歯医者になったころはインプラント反対派でした。「インプラントは怖い」「インプラント以外の方法でいいんじゃないの?」「そんなに大掛かりなことまでしなくても……」と思っていました。そんな私が、今では歯を失った多くの患者様にインプラントをお勧めしています。
その経緯を知っていただくことで、あなたがインプラントを受けるかどうか、どこで受けるのかを考える参考にしていただけたらと思います。
目次
1.インプラントとの出会い/反対派になった理由
私とインプラントとの出会いは大学時代にさかのぼります。ちょうど大学病院で積極的にインプラントが行われ始めていた頃です。
「手術するなんて大変だなー」「入れ歯じゃダメなの?」「歯を失ったくらいで、どうしてこんな大変な治療を受けるんだろう?」当時の私はそのように感じていました。
その思いを決定的にする出来事がありました。実は私はインプラント経験者なんです。といっても歯科用ではなく、骨折した腕を強固に固定するために腕の骨に4本“整形外科用”インプラントを行いました。

腕の骨にドリルで穴をあけて金属のネジを埋め込み、それを支えに手首が動かないよう固定していました。皮膚から金属の棒が飛び出していて、今でも左腕にはひどい傷跡が残っています。空手をやっていたこともあって骨折を繰り返し、普通のギプスやプレート/ボルトではうまく治らなかったのです。
ところが、腕の骨にインプラントをして1ヶ月後、異変が起きました。朝起きると腕がパンパンに腫れているのです。不安で大学病院の救急外来に駆け込みました。診断は蜂窩織炎(ほうかしきえん)。インプラントが出ている皮膚からばい菌が入って腕全体が腫れているとのことでした。
そのとき先生は「大丈夫、治りますよ。よくあることだから心配しないで」とおっしゃいました。ほっとする反面、「よくあることなのか?」「口の中にはばい菌がいっぱいいるから、歯科用のインプラントだともっとトラブルが起きやすいんじゃないの?」と恐怖感をもちました。
このことから、歯医者になるころには「インプラントは怖いから、他の安全な方法を勉強しよう」という思いを強く抱くようになり、卒業後は入れ歯で高名な先生のもとで勤務することを決めました。
大学を卒業後、補綴専門医として活躍されている先生のもとで勤務を開始しました。「補綴」とは「歯を失った部分を回復させる」分野で、ブリッジや入れ歯、インプラント治療などのことです。ブリッジや入れ歯をいかに違和感を少なく、いかに咬めるようにするかを、保険治療だけでなく自費治療の分野に関しても徹底的に学びました。ですので、私にとってブリッジや入れ歯治療は得意分野なんです。
そんな私が、今ではインプラント治療を積極的に行っています。そのわけは——。
2.ブリッジや部分入れ歯・総入れ歯による治療の限界
ここでブリッジや入れ歯について簡単に説明いたします。
ブリッジ



失った本数が少ない場合は、ブリッジによる治療が行われるのが一般的です。ブリッジは失った歯の両隣を大きく削って、その歯を支えに橋をかけるように固定式の冠をかぶせる治療法です。両隣の歯をかなり削る(場合によっては神経もとる)ことになりますが、固定式で面倒な取り扱いがなく、ご自身の歯と同じくらい咬めることが大きなメリットです。
部分入れ歯
失った本数が多くなると、取り外し式の部分入れ歯による治療が行われます。



歯ぐきを支えに咬めるようにし、残っている周りの歯にバネをかけることで入れ歯を安定させ、バネのかかる歯と歯茎に負担を分散させて咬めるようにします。歯茎を支えに咬むわけですから、残念ながらご自身の歯のようには咬めません。違和感やしゃべりにくいという問題もどうしても出てしまいます。
総入れ歯

全ての歯を失うと総入れ歯による治療が行われます。入れ歯を安定させるためのバネをかけることが出来ず、歯ぐきだけを支えにする治療のため、動きやすい・咬みにくいといった問題が出やすくなります。
勤務医時代に、一般的なブリッジや部分入れ歯、総入れ歯はもちろんのこと、歯を削る量を少なくして作るブリッジ、ご自身の歯と同じようにしっかり咬める部分入れ歯、動きにくい総入れ歯、違和感が少ない入れ歯、見た目の自然なブリッジや入れ歯といったものも教わり、実施していました。
多くの患者様から「今までよりもずっとよく咬めます」「痛くなくなって良かった。ありがとう」と言っていただけるのですが、実はブリッジや入れ歯による治療には大きな問題が潜んでいるのです。
ブリッジや入れ歯の平均寿命
ブリッジの平均寿命……7年
両隣の歯を大きく削って作ったブリッジは平均7年でダメになっています。掃除がしにくく歯垢がたまりやすい構造なので、虫歯になったり歯周病が進行しやすくなるからです。もちろんもっと長持ちすることもありますが、平均的にはあなたが考えている以上に短い期間でダメになります。
入れ歯の平均寿命……3年
新しく入れ歯を作っても、平均3年で作り替えが必要になっています。入れ歯自体の不具合もありますが、それよりも入れ歯のバネをかけているご自身の歯が悪くなったり、あごの骨がやせて入れ歯が合わなくなることが大きな原因です。部分入れ歯のバネがかかる歯は数年たつと相当の確率で虫歯になる上、バネによって揺さぶられた歯は歯周病が進行しやすくなります。
総入れ歯になってからも、入れ歯が歯ぐきを圧迫することで顎の骨が徐々にやせていくため、数年たつと入れ歯が合わなくなってきます。総入れ歯になった後も治療のやり替えが定期的に必要になります。
要するに、日常あたりまえのように行われている治療が、気を付けないとかえって残っている歯を傷つけることになっているのです。
患者様と話をしていると、「昔は歯に自信があったのに、1本抜いてからどんどん悪くなって……」「入れ歯にしてから年々バネのかかった歯が痛んで抜いていきました……」という声をよく聞きます。「1本歯を失うと次から次へと加速度的に歯が悪くなっていく」という悲しい現実があります。
では何故、私たち歯医者がブリッジや入れ歯を作っているかというと、「歯や歯ぐきを痛めることは分かっているけれど、それ以外に方法がないから」「咬めるようにするために仕方ないから」「何もしないで放っておくよりはいいから」なのです。
3.インプラントを行うまでに/実際に行ってみて分かったこと
インプラントに対する認識が変わったきっかけ
ブリッジや入れ歯の限界や現実を目にしながらも、「でも仕方ない」「他に方法がない」と悩みながら日々診療をしていました。周りの歯に負担がかかるのは避けられないので、その分、日々の歯磨きや食生活の改善、定期的な歯科医院でのクリーニングで少しでも長持ちさせるよう取り組むことを患者様にお勧めしていました。ますだ歯科医院が「予防歯科」を何よりも大切にしているのは、この頃の経験に基づいています。
そんな中、私自身のインプラントに関する認識が変わるきっかけがありました。それは、インプラントを受けられた患者様の声を聞いたことです。
補綴専門医である勤務先の先生は、入れ歯やブリッジを専門にされている一方で、インプラントも20年以上前から数多く行っていました。そこで私もインプラント治療を受けられた多くの患者様の管理・メンテナンスを担当させていただく機会が増えました。先生が行ったインプラントは治療後10年以上たっても腫れもせず、びくともせず、自分の歯よりもむしろしっかりとしていることに驚き、患者様の満足度が皆高いことにも驚きました。
その中のおひとり、70代の女性についてお話しします。この方はもともと上下ともに総入れ歯だったのを、下顎にインプラント治療を受けた方でした。メンテナンスに来られてお話ししたとき、こうおっしゃっていました。
「インプラント治療を受けて本当によかった。今まで何度も入れ歯を作り替えたし、いろんな先生に作ってもらったけど、特に下の入れ歯では本当に苦労したんです。入れ歯が口の中で動くので咬めないし、無理に咬むと痛いし、しゃべるのもおっくうで……。手術は不安だったけど、インプラントを受けてからは今まで食べられなかった物も不自由なく食べられるし、本当に感謝しているんですよ。以前は人前にでるのがはずかしくて病気がちだったけれども、今は元気で毎日が楽しくって……。私は骨がやせているから上顎にはインプラントが出来ないそうだけど、上にインプラントが出来るような技術ができたら、またお願いしようと思っていますよ。」
私はこのような患者様の言葉によって、インプラント治療には「ただ単に固定式の歯にできる」だけでなく、「失ったライフスタイルを取り戻すことができる」という素晴らしい面があることを知り、インプラントに対する認識が徐々に変わっていきました。
私が受けた整形外科用インプラントの問題点
「インプラントは優れた治療法だ」と思うようになった反面、自分の経験から「インプラント治療は危険を伴うものだ」という二つの思いに悩みながら勉強する日々が始まりました。
勉強して分かったのは、昔のインプラントは大掛かりな手術が必要な上、骨としっかり結合しないためばい菌が感染しやすく、ほとんどが数年で駄目になってしまっていたこと。30年ほど前にチタンという金属が骨とアレルギーもなくしっかりひっつく(オッセオインテグレーション)ことが分かり大きな発展があったこと。さらにインプラントの素材や形、表面加工、手術法など多くの改良が加えられ、どんどん安全で成功率の高いものへと変化し、全世界で行われているということでした。
骨がしっかりしているところに埋めたインプラントは10年たっても95%以上がしっかり機能し続けるということも世界的に報告されていました。
私の腕に埋め込んだ整形外科用インプラントにトラブルが起きた理由もわかりました。ステンレス製のもので骨としっかりひっつくタイプではなく、骨に穴をあけるドリルなども規格化されたものではなかったため、感染しやすいものだったのです。腕に埋めたインプラントは“骨折が治ったら半年後に抜き取る”必要があったため、私たちが顎の骨に埋め込む“一生にわたり骨とひっついていてほしい”インプラントとは根本的に用途が違いました。
こうして私の中でインプラント治療は、「骨がしっかりしていれば、きちんと診査診断した上で処置を行えばうまくいく治療だ」と思うようになりました。
インプラント治療開始
認識が変わったこともあり、私自身も限定的にインプラントを診療に取り入れることにしました。統計的に「一番成功率が高く、トラブルの少ない」状態である、骨のしっかりした方・下の奥歯の部分・歯周病ではない方、に限定しました。
様々なセミナーに参加したり手術のアシストについたりを繰り返し、1年以上の研修期間を経て、2002年秋に初めてインプラント治療を行いました。


右下奥歯に3本のインプラントを埋め込みました。今でも快調に、ご自身の歯と同じように使えているそうです。
インプラントを行って感じたのは、“手術自体はそれほど時間がかからない”“手術後は大した痛みもなく、出血や腫れもほとんどない”ということでした(診査・診断が何より大切です)。実際に冠を入れて咬めるようにすると、「よく咬める」「見た目も自然」「取り外さなくていいのは楽」「入れ歯から開放されて気持ちいい」など、様々な喜びの声をいただきました。患者様が喜ぶのと同時に、私もインプラント治療を行って良かったと思えた瞬間でした。この症例をきっかけに、それ以来多くのインプラント治療を行うようになりました。
4.多くの方にインプラントが出来るように
インプラント治療を実際に行い、よく咬め違和感の少ない優れた治療であるのは間違いないと実感したのですが、希望されるすべての方に出来る治療ではありませんでした。
インプラントは骨の中に埋め込む治療のため、骨がしっかりしていればいいのですが、歯周病で歯を失った方の多くはインプラントをするための骨が足りないという現実があります(歯周病は歯を支える骨が溶けてなくなる病気のため)。「インプラントを希望されているのに入れ歯しか治療法がない」「骨が少ない方にもインプラントができたらいいのに」と思うようになりました。
20年前には考えられなかったことですが、失った骨を増やす(再生する)手術も現在では可能になってきています。私も様々な研修を受け、段階的にインプラントの適応範囲を広げています。
GBR(骨を増やす手術)
骨が一部分やせてしまった方に対し、骨を増やす手術が出来るようになっています。インプラントの適応が広がり、審美的にも優れたインプラントが可能になりました。
ソケットリフト(上顎)
上顎洞という上顎にある骨の空洞に骨を一部増やす手術です。今までインプラントが難しかった上顎の奥歯にもインプラント治療が可能になりました。



サイナスリフト(上顎)
上顎洞に骨を大掛かりに増やすことの出来る手術法です。インプラントの中でも高難度/最先端の手術で、大阪でも数少ない医院でしか行っていません。今までインプラントをあきらめていた方にもインプラント治療が可能になりました。



CTスキャンの導入
歯科ではほとんど設置されていなかったCTスキャンをいち早く導入しました。骨や血管の状態が3次元的に分かるようになり、今までは分からなかったインプラントを行う際のリスクが診断できるようになり、手術時間の短縮に加え、より安全な手術が出来るようになりました。

マイクロスコープの導入
手術用の顕微鏡も導入・使用しています。顕微鏡を使用することで、より細かく丁寧な手術が可能になり、前歯への審美的なインプラント治療が可能になりました。
このような経緯を経て、ますだ歯科医院では骨が少ない方に対してもインプラントを行うことが可能になっており、遠方からも多くの方が来院されています。また、他の歯科医院からインプラント治療を紹介されることも増えてきました。
5.インプラントをお勧めする本当の理由
インプラントを数多く行うようになって気付いたのは、“ご自身の残っている歯を長持ちさせる効果が本当に高い”ということです。残っている歯に負担がかからないだけでなく、残っている歯の負担もインプラントが分散してくれるので、従来の治療法に比べると圧倒的にご自身の歯も長持ちするようになります。インプラントをすることで残っている歯の揺れが治まったり、すっきりしなかった歯ぐきの炎症が治まったりということをたくさん経験しました。
当初は「インプラントにするとしっかり咬めますよ」「入れ歯と違って違和感がないですよ」「取り外さなくていいから楽ですよ」という面でお勧めしていたのですが、今ではむしろ「残っている歯のために、インプラントがいいですよ」「長い目で見たらインプラントがいいですよ」とお勧めするようになってきました。
患者様もインプラントを長年使うにつれて、その良さを再認識されるようです。インプラントをしたことで、今までは知らず知らずのうちにかばいながら噛んでいた/他の歯の負担が減って長持ちしている/歯が駄目になったらどうしようという日々の不安から解消されたということを、時間の経過とともに実感されていくようです。
インプラントは“歯を次々に失っていく”サイクルをストップできるだけでなく、“歯を失う前の状態にリセットできる”唯一の治療法です。私たちは、
・失った歯を、ほぼ元通りに回復することが出来る
・ご自身の歯や顎の骨を守ることが出来る
・失ったライフスタイルを取り戻すことが出来る
という3点からインプラントをお勧めしています。
ただし、インプラントが最も優れた方法なのは間違いないのですが、持病によってできない場合や、あまりにも骨が少なく今の技術では対応できないこともあります。費用面や治療期間を考えると、ブリッジにはブリッジの良さが、入れ歯には入れ歯の良さがあります。


当院ではインプラント以外の治療の選択肢も用意していますので、様々な治療法の中から、あなたが一番納得できる治療法を受けていただけます。どの治療を受けるにしろ、正しい知識をもとに十分に納得して選択していただくことが何よりも大切だと思っています。
そうは言っても、このページを読んだだけでは決断できないと感じる方も多いでしょう。そんな時には、お気軽に当院でご相談ください。ご予約いただければ十分な時間をとらせていただき、あなたのご要望をふまえたうえで、ベストな治療を考えて提案させていただきます。
6.インプラントを希望される方へ(お願い)
「インプラントにすれば一生持ちますよ」「インプラントにすれば安心ですよ」——このように言われたと、当院に来院される患者様からよく伺います。インプラント治療に限らず、自費治療を勧められる際の決め台詞のようです。
このような言葉、実は大嘘です。
インプラントが一生持つかどうかは手入れ次第。10年もすると1割程度がダメ(抜け落ちてしまう)になっています(全世界的なデータ)。インプラントはしょせん人工物です。ご自身の歯に勝るものではありません。長持ちさせるためには、いくつかの取り組みが必要です。
・きちんとした手入れ(歯磨き)
・定期的な歯科医院でのメンテナンス(チェックとクリーニング)
・禁煙/減煙や歯ぎしり対策
車や家、食器と同じです。高いものほど手入れが必要です。私たちは、せっかく高い費用を出して長期間の治療を受けていただくのですから、長持ちさせたいと思っています。当院でインプラント治療を受けていただく方には、歯磨きの改善や定期的なメンテナンスへのご協力などをお願いしています。是非ご協力ください。
歯を失ってお困りの方へ
歯を残せないと言われた方、歯を失ってお困りの方、インプラントについて不安な方は、ぜひ私たちにご相談ください。インプラントを無理に勧めることは決してしませんし、その場で決めていただくようなこともありません。あなたにとってのメリットもデメリットもお伝えしますので、時間をかけてよくご検討の上、最終判断をしていただければ大丈夫です。ひとまずはお気軽にご相談ください。
監修者情報

院長 増田 英人
- 私立高槻中学・高校卒(1994年)
- 国立広島大学歯学部卒(2001年)
- 神戸市 まつだ歯科勤務
- まつだ歯科副院長
- 豊中市 まとば歯科副院長
- 豊中市 ますだ歯科医院開設(2008年)
- 医療法人ライフスマイル開設(2014年)
- ニューヨーク大学インプラント科短期留学プログラム卒業(2016年)



